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「書類送検」ってそもそも何?刑事事件に強い弁護士が解説します

2018年05月14日

横浜(関内・馬車道)のなかま法律事務所です。

 

1,はじめに

 2018年4月25日,TOKIOの山口達也メンバーが女子高生にみだらな行為をしたとして書類送検されたと報道されました。

 この報道の際,普段であれば「◯◯容疑者」とか,「◯◯さん」(芸能人の場合はよく「さん」付けが使われます。)と呼ばれるのに「メンバー」という特徴的な呼称が使われたことも大きな話題となりました。

 また,この報道の際,「書類送検」とはそもそもどんな手続なのだろうかと思われた方もいるかもしれません。

 そこで,本日は,「書類送検」とは何なのかということについてお話していきたいと思います。

 

2,書類送検とは

 犯罪を犯したと疑われると逮捕されます。逮捕されると,警察官から取り調べを受けます。

 また,警察官は,被疑者を逮捕せずに捜査することもできます。逮捕しない場合というのは,逃亡のおそれがなく,証拠隠滅のおそれもない場合等です。この場合,被疑者は自宅から警察署に出向いて取り調べを受けます。

 そして,警察官は事件記録や捜査資料等の書類を検察庁に送り,案件を処理する権限と責任は警察官から検察官に移ります。この手続のことを,検察官送致,略して送検といいます。

 この送検のうち,送検の時点で身柄が拘束されていないものが「書類送検」です。

 身柄ではなく,捜査の結果等の書類だけ検察官に送ることから,書類送検と呼ばれます。

 なお,書類送検は法的な用語ではなく,「容疑者」と同じくマスコミ用語です(容疑者は,法的には被疑者といいます。)。

 

3,どんなときに書類送検がなされるのか

 書類送検は,身柄を拘束する必要がない場合に行われます。身柄を拘束する必要がない場合とは,逃亡のおそれがなく,証拠隠滅のおそれもない場合等です。

 また,被疑者が送致前に死亡した場合や,時効が成立した事件の被疑者が判明した場合にも行われます。

 

4,書類送検がなされた後はどうなるのか

 よく書類送検がなされると,それで処分が終わったと思われる方がいらっしゃるのですが,そうではありません。

 書類送検は,身柄を拘束していないだけで,検察官送致をしていることに変わりはないのです。

 送致を受けた検察官は,その被疑者を起訴するか否かを検討し,決定しなければなりません。そして,検察官に起訴されれば,裁判で裁判官に裁かれることになります。

 書類送検された事件は,結果的に不起訴となる場合が多いため,書類送検されたら裁判まではいかないという誤解が生まれているのかもしれませんが,決してそうではないのです。書類送検だからといって,軽い処分になるとは限りません。

 書類送検となった場合でも,起訴される可能性はありますから,早い段階で弁護士に相談された方がよいでしょう。