解決事例

【嘆願書を提出して希望する刑務所に入所できた事例】

2018年02月19日

依頼者の中には,「実刑は受け入れるしかないが,〇〇刑務所に入りたい」と仰る方がたまにいらっしゃいます。

どうやら,同じ部屋の人や知人(以前収監されていた)から,〇〇刑務所では農作業の資格が取れる,〇〇刑務所は食事がおいしい(?)など情報を入手するようです。

実際,希望する刑務所に入所できるものでしょうか。

<ご相談の内容>

 執行猶予中の犯行であるため,実刑は免れないと覚悟している。

 しかし,刑務所は場所によって刑務作業が違う。農作業ができる刑務所や,家具を制作したりする刑務所もある。

 将来の社会復帰のために,やりたい刑務作業のある刑務所に入所したい。

 

<ご相談後の弁護士の対応>

 裁判では,依頼者の反省態度等を訴え,公判において,情状弁護活動をいたしました。

 しかし,執行猶予中の犯行であったため,実刑は免れませんでした。

 そこで,依頼者の希望する刑務作業を行っている刑務所を調べ,嘆願書を作成して,判決後すぐに拘置所に提出いたしました。

 嘆願書の中では,

 ①刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第1条が被収容者の人権の尊重と状況に応じた適切な処遇を目的としていることを指摘し,

 ②収容すべき刑事収容施設を決定するにあたっては,被収容者の適性や体調等を考慮する他,合理的な理由であるかぎり被収容者の希望も考慮すべき

 などと主張して,

 刑事収容施設の目的に照らせば社会復帰を支援すべきこと等を主張しました。

 

 結果として,第1希望の刑務所には入所できませんでしたが,依頼者の希望する刑務作業を行っている刑務所に入所することができました。

 

<コメント>

 依頼者が希望する刑務作業を行っている刑務所に行ければ,社会復帰の点からも大変望ましいものと考えられました。

 弁護人の任務は控訴をしないのであれば,判決までで終了するため,その後の刑務所の選定には関わりません。また,弁護人が上記のような嘆願書を出すことも一般的ではありません。

 しかし,本件では,

 依頼者が社会復帰のためにある刑務作業を強く希望していたため,弁護人の通常の活動範囲にとらわれずに積極的に活動いたしました。

 弁護人の活動としては少し変わったものですが,「こんなことも弁護士はやってくれるのか」と思っていただけると幸甚です。