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【起訴後】【釈放】保釈手続きについて

2017年10月19日

 

 保釈制度は、

 起訴後に身柄拘束をされている場合に

 被告人が一定額の保釈金を納付することや裁判官が定めた保釈条件(ex.住居の指定、旅行の制限、共犯者や被害者との接触禁止、裁判への出頭)を守ることと引き換えに

 身柄を解放する

 ものです。

 なお、思い違いをされている方も多いのですが、保釈は、起訴後に適用される制度ですから、起訴前に保釈はできません。

  起訴前の身柄拘束期間は逮捕期間最大3日間、勾留期間最大20日間のあわせて最大23日間です。

 しかし、起訴後も身柄拘束が続いた場合、判決まで数ヶ月にわたる長期間、警察署の留置場または拘置所で勾留が続きます。そうすると、日常生活に多大な制約が加わるだけでなく、学校から退学処分を受けたり、会社から解雇されるおそれも高くなります。

 このような起訴後の長期拘束を解決する方法として、「保釈」があります。

 

1 保釈の種類

(1)権利保釈(刑事訴訟法89条)

 以下の6つの事項のいずれかに当てはまる場合を『除いて』、裁判所は保釈を認めなければなりません。ただし、自動的に保釈が認められるものではなく、弁護人等が裁判官に保釈申請をして、権利保釈の要件をみたしていることを主張する必要があります。

 ①被告人が死刑、無期懲役、長期10年を超える懲役・禁錮にあたる罪の有罪宣告を受けたとき。

 ②被告人が前に死刑、無期懲役、長期10年を超える懲役・禁錮にあたる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。

 ③被告人が常習として長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯したものであるとき。

 ④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

 ⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者やその親族の身体・財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。

 ⑥被告人の氏名または住所がわからないとき。

(2)裁量保釈(刑事訴訟法90条)

 上記の6つの事項のいずれかにあたる場合であっても、裁判所が保釈すべきと考えるときは、裁判所の職権によって保釈を許可することができます。

 裁量保釈についても、権利保釈と同じく、弁護人等が保釈申請を行ってはじめて裁判所が保釈の適当性を判断することになります。

(3)義務的保釈(刑事訴訟法91条1項)

 勾留が不当に長くなったときは、請求または裁判所の職権により、保釈を認めなければなりません。

 ただし、この義務的保釈が行われることは、ほとんどありません。

 

3,保釈の流れ

 ①弁護人等が保釈を請求する

 ②裁判官との面接

  裁判官は、検察官の意見を聞いた上で検討します。裁判官が保釈すべきだと判断すれば、

 ③保釈決定

  一定の保釈金の納付や保釈条件の遵守を条件として保釈決定がなされます。

 ④保釈保証金を裁判所に納付

 ⑤身柄釈放

 なお、保釈保証金は現金納付が原則です。

 

4,保釈保証金

(1)金額

 保釈金の金額は、事案の性質や情状、被告人の経済力によって異なります。

 保釈される被告人の逃亡のおそれがないような金額が設定されますが、一般的には、200万円前後が多いです。

 保釈金を用意することができない人は、日本保釈支援協会を利用するという手段もあります。

(2)還付

 納付した保釈保証金は、保釈が取り消されたりして没取されない限り、裁判が終わった数日後に還付されます(通常弁護士の口座に返金されます)。

 ただし、刑事事件で罰金刑や追徴金が確定した場合や、保釈中に民事訴訟で債権者から差し押さえを受けた場合は、保釈保証金から差し引かれることもあります。

 

5,保釈の取消し

 被告人が正当な理由なく出頭しない場合や、逃亡した場合(または逃亡のおそれがある場合)、罪証隠滅した場合(または罪証隠滅のおそれがある場合)、被害者や証人に危害を加えた場合(または危害を加えるおそれがある場合)、保釈の条件に違反した場合は、裁判所は保釈を取り消したうえ、保証金の全額または一部を没取することができます。

 保釈が取り消された場合、被告人は再び収監されることになります。