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2018年06月8日
1,はじめに
日大と関西学院大学とのアメフトの試合で反則行為に当たる悪質なタックルがなされたことが現在大変な話題となっております。
被害者の親御さんは,傷害事件として被害届を出し,刑事告訴も検討しているそうです。
このニュースを聞いて,刑事告訴をしたらどうなるのか,被害届を出すことと告訴とは何が違うのか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。また,告訴と似た言葉として告発というのもあった気がすると頭をよぎった方もいるかもしれません。
そこで,本日は,「被害届」や「告訴」,「告発」についてお話したいと思います。
2,被害届とは
被害届とは,犯罪被害にあった事実を捜査機関(警察は捜査機関にあたります)に申告するものです。
被害届は,警察に対して捜査をしてほしいとか,犯人を逮捕してほしいと思ったらまず提出すべきものです。
3,被害届の出し方
被害届は,警察署や交番に行けば出すことができます。書類も警察署や交番に常備されております。
警察官は,被害届を受理しなければならないとされています(犯罪捜査規範61条)。ただし,被害届が受理されただけでは,実際に捜査するかどうかは捜査機関側の判断となります。
被害届には主に以下の事柄を記載することになりますので,あらかじめ内容を整理していくとスムーズです。また,わからないことがあれば,警察官にきいてみましょう。
・被害者の情報(氏名,住所,年齢,職業)
・被害にあった日時・場所
・被害の内容(どのような被害にあったのか,被害金額等)
・犯人の情報(氏名,住所,人相,服装,特徴等。不明と記載することもできます。)
・証拠品
4,告訴とは
捜査機関に犯罪にあった事実を申告するものであるという点では,告訴も被害届と同じです。
しかし,告訴は,ただ犯罪にあった事実を申告するだけではなく,加害者への処罰を求める意思表示が含まれていることが大きな特徴です。
また,捜査機関が告訴状を受理した場合には,速やかに捜査を開始しなければならず,検察官には起訴したかどうか等の処分結果を告訴した人に伝える義務が生じます(刑事訴訟法242条では,告訴を受理した警察官は,書類や証拠を検察官に送付しなければならないとされています。)。
なお,事実と著しく異なる告訴をした場合,虚偽告訴罪に問われるおそれがあります。
5,告発とは
告訴が被害者本人や親族が行うものであるのに対し,告発は被害者ではない第三者が行うものです。
内容は告訴と同様です。
6,告訴は受理されにくい?
告訴状を受け取ると捜査を開始しなければならないため,捜査機関はなかなか告訴状を受理したがりません。
捜査機関も多数の事件を抱えており,日々事件処理のために忙しい状況にあります。そのため,告訴状に記載された事件内容が法律に定められた犯罪の要件に該当し,また犯罪があったことが証拠上明らかな場合でないかぎり,なかなか告訴状を受理しないのです。
もっとも,法律に詳しくない方にとって,事件内容が犯罪の要件に該当することを論じることは難しいでしょう。また,どのような証拠があれば犯罪を証明できるかもよくわからないでしょう,
こうしたことから,犯罪にあった場合はまず被害届を出すことが一般的です。
告訴状をどうしても受理してほしいということであれば,弁護士に相談し,告訴状の作成から提出までサポートを受けることをおすすめいたします。