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覚せい剤否認事件で不起訴処分となった事例

2018年03月30日

 <ご相談の内容>

 覚せい剤を使用したとして逮捕された。
 また,尿検査をされたところ,陽性反応が出たと警察官に言われた。
 しかし,自分にはまったく身に覚えがない

 ただ,少し前に知り合いと会った際に何かを摂取させられたことがあり,もしかしたらそれが覚せい剤だったのかもしれない。

 もちろん,そのときはそれが覚せい剤であることはわからなかったし,今も定かではない。自分は罪に問われてしまうのか。仕事もあるしやっていないことはやっていないので争いたい。

 

<ご相談後の弁護士の対応>

 覚せい剤を自分の意思で摂取したのでなければ,故意がありませんから,犯罪が成立しません。
 

 警察官や検事は,覚せい剤を自分で使用したとか,知り合いに摂取させられたとしてもそれが覚せい剤であることはわかっていたとか,そういった故意を認める内容の供述を相談者から引き出し,供述調書を作成しようとします。故意の立証の証拠とするためです。故意を認める調書を作らせないようにしないといけません。

 そこで,相談者には,身上や経歴のほかは,故意を否認する旨の供述しかしないようにアドバイスいたしました。さもなくば,誘導的な捜査によって故意を認めるかのような調書を取られてしまうおそれがあるからです。(完全黙秘するという方法ももちろんあり得ます)。
 結果として,捜査機関には,依頼者の故意を認定できるに足る証拠はなく,不起訴となりました。

 

<コメント>

 刑事や検事は,取り調べのプロですから,言葉巧みに相手を誘導し,自分の欲しい供述を引き出して調書を作成します。

 そのようにして事実と異なる供述調書が万が一作成され,その調書にご自身が署名・押印してしまうと,その供述内容を後で争うことは非常に難しくなります。

 不利な供述を避けるため依頼者に完全黙秘を指示することもあります。供述をした場合も調書をよく確認してもらいます。

 よく意味のわからないことや,ご自身が話した覚えのないこと,確かに話したけれど本当は事実と違うことが調書に書かれていた場合は,署名・押印をする前であれば,訂正することができます。身柄拘束の心理的負担や捜査官のプレッシャーに対して一人で戦うのはかなり辛いものです。ご自身の身を守るため捜査段階からの弁護活動は極めて重要と言えるでしょう。